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第二十回 宗山會 其の二

梅雨の台風が日本列島を縦断して行き…

蒸し暑さだけを残してまいりました

皆様、体調を崩されていませんか…

引き続き二十回記念の宗山會のご報告をさせて頂きます 

胡蝶は中盤で相原ひろ子さんの新曲、[花一凛] を初演いたしました。

六月の胡蝶舞踊講習会の課題曲として振付させていただいた作品です。

この曲は昭和に活躍された市丸さんの生涯を歌にしたものです。

中に[天竜下れば]が入っていって、

粋な中にきっぱりとしたところのある

市丸さんを忍ばせる構成になっています。

そして門弟のの皆さんの熱演は続きます写真左から、胡要さんの [保名幻想]

長身の特徴を生かした、姿の美しい仕上がりでした。

真ん中は宗山流蘭さんの [嵐峡] です。

早間の部分の細かい振りに苦戦した作品でした。

裾引きの衣裳を着けて、本番はしっかりと踊抜きました。

そして、宗山流蝶香さんは [千姫] です。

美空ひばりさんのお芝居の劇中歌として発表された曲ですが

大阪城の落城の雰囲気をとても良く表現した一曲です。

相原ひろ子さんの [華の宴] に続いて、

長唄の生演奏による[元禄花見踊]の華やかな演目を御披露したのは

写真右の宗山流巽さんと、

久々の出演となる宗山流錦さんとの息の合ったゴールデンコンビです。

こちらは、今回宗山會に初めて賛助出演して頂きました忠兵衛の藤村流家元 藤村藤之輔先生と、

梅川の香月流家元 香月寿々先生の [恋の大和路]です。

台詞回しも素晴らしく、場内からはため息が漏れていましたよ。

御出演、感謝致します。

龍乃流後継、龍乃嵯紀菜 事、皆様御存知の宗山流蝶今回は、

五瓣の椿 を題材に創作した[くれない椿]に挑戦です。

私が個人的に好きな曲目なので、宗山會では比較的

皆さんが上演してくれています。

裾引きに振袖、振り下げの帯で長い刀を扱う振り付けが見せ場です。

そして今回、宗山流翔さんの演目、大和楽の[雪の降る街を]を胡蝶が相手役を勤めさせて頂きました。

皆さんが良く御存知の[雪の降る町を]の詞章を大和学の素晴らしい演奏で構成した曲から、

胡蝶がイメージを膨らまして創作させて頂きました。

宗山流翔さんは、ドラマ性のある作品に毎回取り組まれています。

昨年の[恋の菅笠]のお夏とは、ガラリと変わった役に今回も挑戦です。

世の中を追われた貧しい二人は…雪の巷をさまよい歩き、あの世へと旅立ちます。

昇天した二人の魂は、美しい来世に舞います。

極上の演奏と共に、一生懸命踊らせて頂きました。

何と、若柳禄寿先生も応援に駆け付けて下さいました。

いや~っ 緊張したなぁ~

宗山流葵さんは、長唄の名曲 [菖蒲浴衣] を華やかに御披露致しました。

前半は、濃紫のしっとりとした菖蒲の衣裳で…

途中で衣裳を引き抜いて、粋な白地の衣裳になりました。生演奏での舞台も数を重ね、

本当に安定感のある舞台でした。

毎回、歌謡曲から古典迄、幅広く様々な演目に挑まれています。

久喜の清流会も今から楽しみですね。

どうしてこんな表情が出せるのでしょうね。桃ちゃんの [城] です。

大道具に負けない押し出しのこの貫禄。

圧倒的な存在感です。

そして今回、蝶ノ介さんは [風雪流れ旅] に取り組みました。

時代織物の切り継ぎの衣装です。

笠も年季の入った物をあえて使用していますよ。

最近ゴルフ三昧で、飛び回っているので稽古不足が気になりましたが…

何とかかんとか… やり過ごしていましたよ。

今後に期待… といった処でしょうか。

今回も台湾から駆け付けてくれた千鶴流宗家、千鶴美扇事、宗山流光の [雪舞の宿] です。

何と以前より18キロも痩せて…妖艶な舞台を勤めあげました。

モノトーンでまとめたコーディネートです。

そして今回、[北の蛍]に挑んだ宗山流扇…森進一の名曲ですね。

しなやかな海老反りなど、肉体を駆使して演じる1曲なのです。

胡蝶、要 と踊って参りましたが、

本当に踊りはそれぞれの個性が出る処が楽しいですね。

要さんは、新内の [玉菊灯篭] に挑みました。こちらは、一昨年胡蝶が初演させて頂きました。

長身の演者に遊女玉菊は、良く合った演目です。

新内節独特の世界観ですね。

こちらは名古屋から御賛助出演して下さった瑞鳳澄依 二代目家元です。

今回は、長唄の珍しい演目で、[日本武(ヤマトタケル)]を御披露下さいました。

格調高く神話の世界を、流麗な長唄の演奏に乗せて表現されました。

本当に珍しい演目ですので、お客様も興味深々でしたよ。

そして今回の企画演目で、勇壮な獅子を御披露して下さったのは花柳琴臣さんです。

広く日本の美しさをアピール出来る演目として、胡蝶の海外公演などのプロデュースをして下さっている

高久さんの企画発案で上演致しました。

そして後半では、写真左の、宗山流藍さんの[政調博多節]から[長崎ぶらぶら節]

落ち着きと貫禄のある舞台でした。お客様から、『いつ迄もあんな風に立派に踊れて見事ですね…』

との声を沢山頂きました。

胡蝶も頭が下がります。

写真右は宗山流雅さんの [唐人お吉物語]です。

毎回、歌舞伎や新派を題材としたお芝居ふうの演目を数

多くご披露下さっています。今回は、下田の芸者お吉を熱演されました。

古典舞踊の経験の長い雅さんの、安定感のある舞台でした。

胡蝶はフィナーレ前に、昨年他界された蝶吉さんの、

最後の舞台の演目となった大和楽の [雪折竹]を追善演目として上演させて頂きました。

黒縮緬地に雪持ちの笹と梅、千両の裾引きです。

帯は黒繻子の如源の丸帯を角出しに締めました。

比翼には江戸茶地の格子を重ねてみました

今回は、腰のしごきに赤縮緬じに麻の葉の染疋田をアクセントにしてみました。

浮世絵の小村雪岱の雰囲気を意識しています…

僭越ながら…

蝶吉さんを偲びつつ、丁寧に舞わせて頂きました

そして下の巻は、ガラリと華やかに代わって

五月の季節にふさわしい大和楽の [藤むらさき]を

要、扇、光 の三人で上演致しました。

私のこの曲に対するテーマはずばり、『繪のような…』でしてた

これは踊り全てに言えることでしょうが

特に今回はこれを強調した形の振り付けにしました。

少しは御覧頂いた皆様に伝えることが出来たでしょうか…

演者だけでは無く、振り付けをした私自身も

精進を重ねて参りたいと存じます。

そしてここからは大詰めです。宗山流総出演の 長唄 [俄獅子] から

一気にフィナーレ迄盛り上げて参ります。

大和楽の [江戸まつり] は、宗山流幹部師範の藍、雅、巽 さん三人による

江戸芸車の夏祭りの風情を描いた作品で

宗山流 の最も得意とする世界観です。

暗転幕の中ではフィナーレの総踊りの支度が進んでいます。花道の幕外で

[やくざ若衆祭唄]を御披露して下さったのは

特別出演の千川流二代目家元 千川貴楽さんと

花柳琴臣さんの贅沢な顔合わせです。

午前十時半からと開演で九時間にわたる長期戦…

ようやく千穐樂に漕ぎ着けました

最後の締めは、先代の大和楽の家元、大和久満先生が

浅草の花柳界の為に作曲された[新さわぎ]を、

特別にお許し頂き宗山流で上演させて頂きました。

今回は、本家の大和楽に加え、女流の長唄の皆様とのコラボの演奏で、

箏曲も入り、この上ない素晴らしい演奏になりました事も

重ねて感謝しております。


大和楽の家元、大和櫻笙さんとの千穐楽の一枚です。

今回の第二十回記念 宗山會に御来場賜りました皆様

裏方スタッフの皆様

演奏の皆様

そして、大輪の花を添えて下さいました御賛助出演の皆様

宗山流門弟会一同、心より感謝

さ申し上げます。

遅れ遅れのブログがようやく宗山會の分迄掲載させて頂きました。

ただいま7月8日の午前1時15分

本日開催の [胡蝶をどりらいぶ] 浅草九劇 二日間公演

これから朝風呂に入って搬入、楽屋入りです。

お蔭様で、二日間三回公演とも札止め御礼となりました。

こちらも重ねて感謝申し上げます。

心よりお待ち申し上げております。

それでは行って参ります。


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