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高知 弁天座公演

東京は4年ぶりの大雪警報が出ております。

お蔭様で昨日の第15回 和楽の会 はお天気に恵まれまして…

無事に開催させていただきました。

後日ご報告させていただきます。

今日は、昨年10月22日に開催させていただきました、[胡蝶をどり座]

高知弁天座公演の様子をご案内させていただきます。

昨年の公演は、父の生まれ故郷である高知で、

十三回忌の追善公演として開催させて頂きました。

宗山流門弟会有志に、第一回高知公演から御賛助出演をお願いしている

美穂川圭輔家元、慶祥芳之家元、

そして東京からは花柳琴臣さんのお力添えを頂戴しての

華やかな公演を企画させて頂きました。

地元高知の皆様の御陰で、指定席、自由席共に 札止御礼…

と、準備万端となりましたが…

胡蝶は東京からのスタッフの乗り込みの二日前から高知入りさせて頂きました。

ご多分に漏れず、高知に台風接近の天気予報が…

前日のリハーサル日には、何とか出演者、一部のスタッフが高知入り…

本番の皆様をお迎えする準備は万端です。

ところが、本番前日の夜から大型台風の高知直撃が現実味を増し…

東京からの当日入りのスタッフ、お客様の飛行機が…

条件付搭乗…

お客様の入りも心配で、一睡も出来ませんでした。

祈るような気持ちで当日の朝を迎えました。激しい雨が降る高知の朝…

何とか午前中の便は無事到着。

スタッフも楽屋入りを果たしました。

そして、お客様を乗せたお昼の便も無事到着。

開幕の準備は整ったものの…

開演時間と台風直撃の時間が重なっていた為…

御来場のお客様の足元が心配で…

楽屋で本番を控えて化粧を進めていたその時に…

全員の携帯に[大雨洪水避難勧告]なる注意喚起が流れました。

本当に幕が開けられないかと思いましたよ

ところが、大雨の中、開演1時間前には弁天座に

溢れんばかりのお客様がお越し下さいました。

この時ほど、御来場の皆様、スタッフの方々、目に見えない力に

支えられている事を実感した事は御座いません。

開幕は[祝賀の舞]から…

序開きですから、手堅く黒紋付きから勤めさせて頂きました。

そして、高知県でご活躍の若手舞踊家、慶祥芳之家元の[鶴の寿]

格調高く、典雅な姿に魅了されました

ひき続き、花柳琴臣さんの [玉屋]

江戸の物売り風俗を粋に、さらりと…

軽妙な一幕に皆様の熱い視線が集まりました

そして、要、扇の [牡丹獅子] は宗山ならではの演出。

後半を長唄の[俄獅子]をアレンジして、粋な花道の引っ込みです

東京からの門弟会も、御披露させて頂きました。

左から惠の [根岸の里]

環の [暗夜航路] は安定感のある仕上がり

凛の [友禅流し] は華やかな友禅の衣裳で…

遊は立ち役で [[はぐれコキリコ]を熱演

蘭は [大川くずし] を体調のすぐれぬ中、踊り切りました

冨士美 観 は [演歌桜] を初演…

黒の出の芸者姿は 蝶香 の [恋蛇の目]

そして高知の宗山流からは、河島美智子さんの [おわら慕情]

安定感のある美しい舞台でした。

そして今回、[十日の菊] のお徳に挑んだ 翔

床に倒れ伏す幕切れは拍手喝采でした

そして第二部

何故か桃が女のなりで…

ここからが胡蝶の世界の開幕です


胡蝶蘭の裾引きです…

本来の胡蝶蘭の旬の季節を知りません…

ハウスのバイオ栽培の胡蝶蘭が一年中楽しめる昨今ですから…

桜や紅葉の様にはっきりとした季節感が今ひとつわからないのです。

ですから胡蝶も、この胡蝶蘭の衣裳は、ハウス栽培という事で

一年中季節にこだわらず着させて頂いております。

桃の女役の目的は、ただ、この瞬間の為だけに…

流石の決定的艶姿…

場内のお客様はこの瞬間を待ちわびていたようです。

でもこの時名誉の負傷肋骨を圧迫骨折してしまいました。

芸に命を張った桃であります。

そして、高知でも二度目の上演となります[お吉]


古風な臨場感のある弁天座の舞台にぴったりの演物でした

そしてお扇は[女傑]をキリリと豪快に

当たり役です

要は [天城越え] を初演

名曲は、時が経っても色褪せる事がありませんね

手拭いを絞る形に、女心の情念を表現します。

そして今回倭は、[河内男節] [花の向島]を御披露させて頂きました。

日頃から、扇、要の厳しい薫陶を受けつつ、精進を重ねていますので

将来はきっと素晴らしい局に成長する事でしょう。

恐怖です… 汗

そして今回の目玉演目の一つでもある[曽根崎心中]

花柳琴臣さんとのお手合わせは明治座公演以来、三回目の上演となります。

花道七三は客席ととても近いので、特に緊張しました。

お化粧や鬘、以上の細部迄に取るようにお客様に見えますので

それはそれは大変ですよ


三回目の上演でようやくお互いの雰囲気を掴んだようです。

やはりこのような演目は、数を重ねて深めていくものですね。

出番前のお化粧チェックです

日頃紋付での素踊りが主な花柳琴臣さんですが、

白塗りのお化粧の腕前も驚くほどお上手ですよ。

こちらは、高知で幅広くご活躍の美穂川圭輔家元。

[お酒とお餅] [女城主直虎] を御披露くださいました。

さすがの存在感と年季の入った芸で華を添えて頂きました。

又この木造の楽屋の雰囲気もとってもすてきなんですよ。

出演者一同、弁天座の暖かい空気に包まれて

緊張感の中にも和気あいあいとしたムードが充満しています。

後半の胡蝶の立ち役は[風雪流れ旅]です


大詰めでは慶祥芳之家元が妖艶な女形を御披露して下さいました。

胡蝶も足元にも及ばない程の、たおやかな舞姿です。

余りの美しさに客席は酔いしれました。

ここから一気にフィナーレです。


[よさこい慕情] は胡蝶の大好きな演目の一つです。

メドレー形式で出演者全員で賑やかに勤めさせて頂きました。


台風直撃で襲来の中、驚くほど沢山の皆様に御来場賜りまして、

これ以上の感謝はありません。出演者一同、心から御礼申し上げます。

そして、今回の公演に際し、ご尽力賜りました地元の皆様、

親類の皆様、ありがとう御座いました。

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