大江戸顔見世名流撰 清流会 に引き続き [胡蝶演歌舞踊の世界]
[北斗七耀星] お楽しみ頂きます。
今回は、中幕に樋口一葉の小説より[にごりゑ]を創作しました。
この小説は明治二十八年に発刊されました。
円山福山町の銘酒屋[菊乃井]の酌婦おりきは、界隈では知らぬものの無い
売れっ子酌婦でした。
この頃の[銘酒屋…]とは酌婦に客を取らせる政府非公認の遊女屋でした。
おりきに深く想いを寄せ、親身に身の上話を聞きに通ってくる裕福な
結城朝之助という客。淡い恋心を抱くようになるおりきでしたが…
それ以前に馴染みになった布団屋の源七は、妻も子もある身の上で
おりきに入れあげ、繁盛していた布団屋も潰してしまう有様。
今では惨めな畳二畳の裏長屋でその日暮らし…
やり場のない酌婦おりきの想い
衝撃的な幕切れを描いた[にごりゑ] の一幕をお楽しみください
酌婦お力 胡 蝶
酌婦お高 神代知衣
酌婦お篠 ゆ う
結城朝之助・源七[二役] 花柳琴臣
初版本の挿絵に、鏑木清方が描いた酌婦おりき。
墨絵の鱗の着物が印象的。45年前に坂東玉三郎さんが
演さったときにも着用していらっしゃいました。
今回胡蝶も執念深く、この墨絵の鱗の着物を着たいと…
まず染の職人さんと相談
先に試染めで出来てきたのが…
鱗の直線がキッパリし過ぎて… 道成寺の様です
余りに色気が無いので、こうした型染小紋ではなく
清方の挿絵の様に、色気のある筆の揺らぎを感じさせるような
仕上がりにしたい… 何度も打ち合わせと調整を繰り返し…
手染めの、墨の垂らし込みと揺らぎを工夫して頂きました
試し描きですのでこちらは銀通しの生地ですが、
只今染めている本番の生地は一越縮緬です。
小紋付けにして後ろ身頃の鱗の方向が下がらない様に
一方付けにせず、肩山に対して昇りの絵羽の訪問着付けに染めています
どんな衣裳に仕上がって参りますか…お楽しみに
そして…序幕の俚奏楽 [雨の月]
こちらは本條秀太郎先生の作品で、
[智恵子抄]の知恵子の目線で描かれた美しい旋律の楽曲です。
今回は胡蝶らしくない…
と申しますより、近頃若作りに燃えております私の新境地
[朱鷺色]ぼかしの、御存じ菊唐草の地紋…
可愛い過ぎます裾引きを新誂したものが仕立てあがって参りましたので、
今回御披露致します 照れつつ袖を通します
そして8年ぶりの再演 [北斗七耀星・イヨマンテの夜] を御覧頂きます
8年前の イヨマンテの夜 です
衣裳はアイヌ衣裳の [圧志 アツシ]をこちらも全て創作して
日本舞踊の衣裳として誂えたものです
今回は宗山流蝶、宗山流倭 がイヨマンテに
この長褞袍もほんの一瞬羽織って登場するだけの衣裳ですが
歌舞伎の[十六夜清心]大川端の 大寺庄兵衛 が羽織る圧志 です
こちらも体力勝負の演目ですので…
今回も[胡蝶演歌舞踊の世界] 2時間半
御賛助の花形家元の皆様の、[女形大会]
お見逃しなく…
唄の御出演も[相原ひろ子]さんの[大川くずし]はじめ[道中伊勢参り]
[逢川まさきの世界]では胡蝶が 残菊物語 を題材とした [こぼれ紅]
そして若手民謡家の[おもだか秋子]さんによる、津軽三味線も御披露頂きます。
ご声援頂けます様、お誘い合わせての御来場
お待ち申し上げております。
今回イメージ画像として使用させて頂いた画像は
昨年上演の[花散廓・朝日楼] の時のスチールです。
[花散廓・朝日楼] より 黒縮緬碇綱に荒浪引き着
牡丹色麻の葉絞り半襟
銀杏返し 時代友禅布掛け 柘植鬢櫛
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