お暑う御座います…
月並みでは御座いますが、この言葉に尽きますね
酷暑ですとか、衰え知らずの台風ですとか…
日本列島は、大変な事になっていますね…
各地の皆様、それぞれに、大事に至らぬように乗り越えて頂きたいと存じます。
早速七月に開催させて頂きました[胡蝶をどりらいぶ]の御報告をさせて頂きます。
今回、地元浅草では四年ぶりの開催となりました…
十年以前は、地元浅草で各月で開催させて頂く程…頻繁にしておりましたらいぶですが…
らいぶに相応しい劇場の減少…
又多忙前出演の予定などで、昨今開催が遠のいておりました。
今回は、浅草の花やしき裏に新しく[浅草九劇]という
らいぶにとても相応しい劇場が出来上がりましたので早速の開催となりました。
こちらは劇場正面で、蝶、倭、惠のお客様のお出迎えの様子です。
これもらいぶならではの風景です
これは初日の序幕のいでたちです。
夏らしく白地の絽に胡蝶蘭の刺繍の訪問着に金魚の帯を合わせましたよ。
これもう舞台ではあまりご披露する事の無い、らいぶならではのコーディネートです。
らいぶは基本的に、二日間三回公演とも演目を全て入れ替えます。
[特殊な企画演目は別ですが]
狭い会場はお客様の熱気で盛り上がっています。
丁度開催日が、浅草の夏の風物詩 [四万六千日]
通称、ほおずき市と重なって浅草は大変な人出です。
今回の舞台で初の顔合わせ演目となる 蝶ノ介、倭の[男節]
本来こういった系統の演目は、素足で勤めるのが基本なのですが…
今回の劇場の床が所作板では無く、リノリウムだったために…
アップテンポのこの演目に関しては、とても足元が悪いと云う事で…
足袋を履いての上演となりました。
※蝶ノ介さんからの命がけの懇願により致し方なく…[補足情報]
こちらは、[十日の菊]胡蝶は久々の上演です。
歌舞伎役者の菊之助に影身に沿って尽くした女中のお徳の物語です。
惠リンも、らいぶでのソロ演目 [島田のブンブン] とあって緊張の面持ちです。
やはり、発表会の舞台とは違い、観に来ていらっしゃるお客様の目線の違う舞台ですから…
そしてこちらは、昨年の胡蝶舞踊講習会の課題曲 [おわら慕情]を初演させて頂きました。
宗山流 初め清流会の皆さんはよく舞台で上演して下さっている演目ですが
胡蝶は初めてだったんですよ。
途中に帯揚げの結び目を出しての振り事があるのですが…
後半でその両方を綺麗に帯に納めるのが大変難しいのです。
見ているより段取りの多い踊りです。
扇さんは白地に井桁の裾引きで[肥後の盆唄]
胡蝶は黒紗の着物で[緋牡丹博徒]です
この季節ならではの衣裳と演目が続きます。
今回のライブには、各回にシークレットの特別ゲストが登場します。
二日目の昼の部のゲストは 山谷弘佑君
躍動感溢れる [アジアの海賊] を御披露して下さいました。
相変わらず物凄い人気で、会場を盛り上げて頂きました。
これは、宗山流では定番の演目となっています[はぐれコキリコ]
実はこの演目、初日の夜の部は、扇さんと
そして二日の昼の部は、要と上演致しました。
同じ衣裳で同じ振り付けでも、それぞれに個性が出て楽しいですね。
昼の部の締めくくりは、立ち役で [すきま風] を初演させて頂きました。
そして日曜日の夜の部、三回公演の締めくくり…
何と客席の舞踊関係者が多い事と云ったら…
出演者一同 足がすくみましたよ
胡蝶も日差しに御挨拶で『これはバラエティーで御座いますっ…
素晴らしい踊りが御覧になりたかったら歌舞伎座に行って下さい…
射る様な目で見無いで下さいませ…
くれぐれも寛容の御見物を宜しくお願い致します…』
などと言い訳がましく重ねて申し上げました次第…
初日、二日目の夜の部のゲストは 花柳琴臣さんでした
千秋楽の目玉の一つとして [長良川艶歌] を一度のお稽古で仕上げた…
冷や冷やものの一曲
ほぼ、ぶっつけ即興状態で御披露させて頂きました。
季節感を大切に朝顔や 菖蒲の簪です
スッキリときた紋付き姿で
舞台の空気は一変します
琴臣さんの創作演目も素晴らしい舞台でした。
そして私の相変わらずの 下田のお吉
お客様は見飽きてしまったかもしれませんが…
大好きな曲なので上演しました
今回はちょっと目先を変えて
黒地に染め抜いた鴉の帯を引っ掛けに締めていますよ
今回、蝶ちゃんは [夏恋囃子]を久々に上演しました。
本人の持っている華やかで可愛らしい芸風に相応しい演目です。
これも前半を下駄で勤める件が厄介なのですが
さすがになんなくサラリ
とこなしていましたよ。
そしてどんなに出演者一同が頑張っても勝つ事のでき無い
真似ることのでき無い
必殺演目 近松門左衛門作 恋飛脚大和往来 ならぬ
[桃川] の久しぶりの御開帳です
衣裳は梅川 鬘は忠兵衛
一人二役の変態演目です
あなどるなかれ…
何とこの演目、不謹慎にも 国立劇場おきなわ、浅草公会堂はもとより、
地方の大劇場でも上演しちまったという経緯が御座います。
昨年などはわざわざ他流派の記念舞踊会のゲストとして
山形まで招かれて名指しで上演したという迷作中の名作であります。
もうぶっちぎりの、原爆級の演目なので御座います。
そして千秋楽の締めくくりは、[大江戸浅草花太郎~深川マンボ]です
度々上演させて頂く顔見世演目ですが
毎回緊張感に包まれています
そしてフィナーレの御挨拶の模様です
今回小ぢんまりとした会場での上演でしたが三回公演とも大入り満員を頂戴しまして、
出演者一同本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
初めて御覧頂いたお客様沢山ご来場下さったので…
どの様な感想をお持ちになったのか興味深いです…
是非とも忌憚の無いご意見を伺いたいです。
そして今後に沢山の課題を残した舞台ではありましたが
沢山の拍手に支えられて何とか無事勤める事が出来ました。
沖縄、九州、四国など遠方からのお客様も大変多く、
三回公演を全て見て下さった熱心な方も沢山いらっしゃいます。
重ねて感謝申し上げます。
どっぷりを踊り三味のらいぶ ご堪能頂けましたでしょうか。
まだまだ、三回公演分の御覧頂きたい画像は沢山あるのですが、
かいつまんで御披露させて頂きました。
又お気づきの方もいらしゃると存じますが、
毎回胡蝶の舞台を撮影し続けてくれている伝法院正恵が、
浅草が四万六千にという事があり、家業の下駄屋さんの店先を離れることが出来ず、
千秋楽の後半部分しか客席からの画像の撮影が出来なかったのです。
出演の前後に楽屋で撮影したものを中心として記載させて頂きました。
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