top of page
検索

第三十九回 清流会

春爛漫の季節を迎えました。

皆様は如何お過ごしですか。私は昨年の胸椎の圧迫骨折の入院手術から丸一年が経ち

御陰様ですっかりと回復致しました。

担当医の先生からも、背中に入っている金属はもう抜き取っても大丈夫だと

お墨付きを頂戴致しました。

大幅に遅れております昨年の舞台の追っかけ報告をさせて頂きます。

平成29年11月の23日に開催させて頂きました

第39回大江戸顔見世名流撰 清流会

序開きは、紅梅流から出演の山谷弘佑さんの[松の三番叟]

緊張感のある表情が伺えますね。

幕開けに相応しい若さ溢れる一幕を御披露頂きました。

宗山流倭は [花の向島] を初演致しました。

今後も小粋な邦楽の演目に取り組んで頂きたいですね。

惠リンはパワー溢れる [演歌桜] を初演致しました。

最近はテンポ感のある高度な演目に挑戦して技術を磨いています。

西荻舞浩事、清流会実行委員杉田浩子さんは

[ひばりの佐渡情話~流れ人]を熱演。

客席からは熱いエールが送られていました。

これは花道の引っ込みの件です。

年々円熟した素晴らしい舞台を勤めて下さいます。

台湾から駆け付けてくれた千鶴流宗家、千鶴美扇と胡蝶の

[祝賀の舞] はこちらも初演です。

楽屋でのスチール写真風景

私も黒紋付きでの立ち役の御祝儀舞踊はとても久しぶりでした。

こちらは中盤戦で踊らせて頂いた [おわら慕情] のスチール

縞に裾をぼかして観世水をあしらった裾引き、

洗い髪に紗張りの笠を被りました。

風の盆を題材にした曲目は沢山御座いますが、[風の盆恋唄]とはまた一味違った

相原ひろ子さんの名曲です。


舞台下手側の楽屋の廊下で杉田浩子さんとの一枚です。

こちらは土佐の高知から参加して下さった河島美智子さんの[暗夜航路]です。

落ち着きのあるしっとりとした素晴らしい一幕でした。

龍乃流後継、龍乃嵯紀菜さんは、[羅生門] を上演

渡辺の綱に切り落とされたとする片腕を取り返す羅生門の鬼

幕外の引っ込みは歌舞伎の演出です。

今回も十九流派、五十演目が花を競い、

素晴らしい演目を御披露下さいました。

心より感謝申し上げます。

そして清流会に引き続き、恒例の[胡蝶演歌舞踊の世界]今回は[波濤]と題して、

海にまつわる様々な演目をお楽しみ頂く趣向に致しました。

こちらは、開演直前の出陣式の一枚です。

幕開きの胡蝶は[波濤]には無関係な俚奏楽の[うき世道成寺]から



ここからは[博多港]と云う海繋がりで 要、扇の[正調博多節]から

山谷弘佑君の[博多恋しぐれ] です

こちらは、[雪舞いの宿]です本来この演目は、

振袖、高島田で演じるようなイメージで創作したのではないのですが

今回の演歌舞踊の世界の全体のトーンが比較的シックな衣裳の演目が中心なので

少し気を変えて思い切ってこのいでたちにしてみました。


千鶴流宗家、千鶴美扇事、宗山流光の [海鳴り]

切ない女心を艶やかに表現します。

こちらは、特別出演の花柳琴臣さんとの[さすらい列島]

板前と酌婦の駆け落ち…と云う設定のいわば特殊な演目です。

短期間の数回のお稽古でよくお付き合い下さいました。

引き続き、十数年ぶりの上演となる [たそがれ酒場]と云う、これまた胡蝶お得意の珍妙な演目です。

とは海辺の赤提灯には、様々な思いを抱えた女たちがたむろします。

そんな居酒屋で繰り広げられる他愛も無い物語です。

胡蝶は別キャラクター [杉村秋子]で挑みます。

こんな変な演目、実際の舞台を観た方でないとなかなか伝わらない珍品です。

内容の割には大道具、衣裳鬘、小道具に至る迄一番手間ひまが掛る厄介な一幕ゆえに

上演頻度が少ないのです。

お客様に勘当を届けるという趣旨からは外れていまして…お客様に唖然呆然を御届けしております。

ここでまたガラリと気を変えて、ムード歌謡の世界です。[時代屋の恋] [寒椿]等

数曲も披露させて頂きました。


再びテーマの海の景色に戻って

扇さんは [佐渡の恋唄] を

黒と赤のコントラストが際立つコーディネートです。

要は久しぶりの立ち役で [北の漁場] を

これも本当に体力のいる演物です。

胡蝶の後半の立ち役は[やん衆酒場]

こちらは、北島三郎さんの隠れた名曲ですよ。

時代友禅の縮緬の長半纏です

そしてフィナーレは、[タキオのソーラン節]こちらも十二年ぶりの上演です。

胡蝶演歌舞踊の世界 波濤 皆様にお楽しみ頂けたでしょうか。

なかなか写真からではお伝え出来ない臨場感やメッセージがあります。

胡蝶のブログをご愛読の皆様

是非次回は、生の珍妙演目を体感して下さいね。

本当に遅れ遅れの御報告になって申し訳御座いませんが今後も懲りずに、

一舞台も欠かすこと無く記事を掲載させて頂きますので

お付き合いの程宜しくお願い申し上げます。

目下、宗山流は5月27日開催の宗山流本会、

第二十二回宗山會に向けてお稽古に奮闘しております。

最新記事

すべて表示

コメント


bottom of page