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杉並清流会

風薫る最高の季節を迎えましたね

そして私はと申しますと、このゴールデンウィークも例年通り…

宗山會の制作と印刷物の発注、そして膨大な意匠の仕込みに明け暮れておりました。

今回も遅れ遅れになっています、3月25日に開催致しました

清流会杉並会の御報告をさせて頂きましょうね。

今年も六十番の御出演を頂きまして華やかに開催をさせて頂きました。

毎回ご参加して下さる紅梅流の山谷弘佑君…

何と、無事大学を卒業して就職も決まりましたよ。

そして、清流会当日が学校の卒業式と重なってしまい…

出演は無理かと思われたのですが…

朝一番開幕に[龍虎の舞]を踊ってくれました。

そして卒業式へと旅立って行かれたので御座います。

本当におめでとう御座いました。

五月の宗山會でも大活躍して下さいますよ。

皆様お楽しみに。

そして今回、十年ぶり以上に久々の [恋は女の命の華よ] を再演した倭…

逆に云うと、中学生の頃にこんなにませた演目を踊っていたのかと思うと驚きですね。

今後も数を重ねて踊っていって欲しい演目です。

そして、藤色の芸者の艶姿は清流会杉並会実行委員長

西荻舞浩事、宗山流の親衛隊長も勤めて下さっている杉田浩子さんです。

今年は、[風流江戸の月]を御披露しましたよ。

毎回毎回安定感が増して、年齢不詳ですね。

百歳迄を取って頂きましょう。

そしてなんと私は、一月のは楽の会、入院手術以来…

初めての舞台復帰となりました。

前半の清流会では、立ち役で[花の生涯]を上演させて頂きました。

なにかと体力的なフアンもありましたが…

何と云っても、背中の手術後の傷が退院後二週間の為…

まだ腫れも引かず、少し熱を持って腫れていたので…

ですから最初は袴を履かせて頂いて傷口に直接帯が当たら無い形での扮装とさせて頂きました。

皆様の御陰で何とか復帰の一幕を…勤めさせて頂きました。

こちらも杉並会には三回目の出演となる藤村流家元 藤村藤之輔先生です。

爽やかなキレのある[峠越え]を御披露して下さいました。

又お弟子さんとの相舞踊も見せて下さいましたよ。

藤村先生も五月の浅草公会堂の宗山會、御出演下さいます。

そして大御所、巴流家元 巴舞翔先生です。

もう長いお付き合いになりますね。

だって、宗山流創流以来のお付き合いなんですよ。

こちらも全然変わらずに年齢不詳です。

舞踊家は実年齢を何処かに捨てて来しまうんですね。

そして、春ノ桜流家元 春ノ桜流光祥先生です。

こちらも毎回、大勢のお弟子さんと共に清流会を支えて下さっていますよ。

感謝しております。

そして後半は[胡蝶演歌舞踊の世界]

今回は、胡蝶が退院後間も無いという事で…

[秘密の胡蝶舞踊講座]を幕開けにさせて頂きました。

何の事は無い、横で胡蝶がペラペラと勝手な事を喋りまくって

踊りの基本等レクチャーさせて頂き、

要と扇に様々な表現を体力を使って踊って頂くというシステムです。

いいなぁこれ…

これなら年をとっても…

足腰が弱っても、口が達者ならいけるなぁ~

などと不謹慎な事を企む胡蝶で御座います。

中盤戦は、口でばかり踊っているわけにはいきませんので

小紋の井桁の裾引きに着替えさせて頂いて…

[しのぶ]を踊らせて頂きました。

実は、背中の手術後の位置が

丁度お太鼓枕に当たる位置なのです。

特に胡蝶は帯を低く締めるのが嫌いなので…

角出しと云えども、他の方よりは上の位置に締めるのです。

でも本番パワーって凄いですね。

もう傷が痛いとかとか、心配だとか

そんなことどうでもよくなってしまいますね。

何とか無我夢中で勤めさせて頂きました。

扇さんは [お吉花無情]を…

この衣裳は、鴉と白鷺の群鳥図で、別名[鳥戦(とりいくさ)]と云う柄です。

仇っぽくて、酒落てるでしょ!

日本の着物ってつくづく良いですね。

扇さんは [お吉花無情]を…

この衣裳は、鴉と白鷺の群鳥図で、別名[鳥戦(とりいくさ)]と云う柄です。

仇っぽくて、洒落てるでしょ!

日本の着物ってつくづく良いですね。

夕日の差し込む楽屋の廊下で撮った写真です。

後半は大好きな桜の裾引きで…

三月末ですから桜の着物が堂々と着られますね。

実は胡蝶、無類の桜と龍 好きなんです。

ですから一年中桜の衣裳着ていたいのですが…

まさかそんなことをしたら季節感が無いと云われてしまいそうで

『宇野千代さんは冬でも夏でも、一年中桜の着物を着ていらっしゃいましたよっ』

と声を大にして叫びたいのですが

今回は、[大川くずし]を踊らせて頂きました。

いいんとか皆様の御陰で、舞台復帰出来ました。

背骨を圧迫骨折なんかしてしまって…

正直申しまして、胡蝶はどうなるんだろうと思っていました…

もちろん思うようには身体は使えませんでしたが、

どうにかこうにか幕を下ろすことが出来ました。

五月の宗山會では、もう少しマシになった胡蝶でお迎えしたいと存じます。

清流会杉並会、御来場の皆様、御出演の皆様本当にありがとう御座いました。

今だから申し上げられる重大事件勃発。

本当はお墓に入る迄内緒にしておこうと思った事件が起きたので御座います。

それは胡蝶が退院後、初の演目と決めていた[花の生涯]での出来事で御座います。

気持ち良く踊ろうと思って膝を割った瞬間… 違和感が

何と、あろう事か

袴の片方に両足が入っていたので御座います。

こんな芸当は 桃ちゃんの領域で御座います。

私も生まれて初めてと申しますか

一生に一度経験すれば充分と申しますか

恐ろしい思いを致しました。

それも踊りの前半で気付いてしまったので

後半の4分が地獄で御座いました。

何食わぬ顔して踊っている様には写真では見えたかもしれませんが

お客様の中には気づかれた方もいらっしゃって

胡蝶の袴に目が釘付けの方も沢山いらっしゃいました。

これはその時の衝撃画像で御座います。

伝法院正恵がその証拠写真を抑えていたので御座います。

被害者のプライベートに鑑み、目元は隠させて頂いております。

とはいえ、舞台から降りれば何事もなかったように

こんな笑顔で会長やら後援会さんと写真を撮っているあたり

ふてぶてしいとしかいいようが御座いませんね。

この記念写真の時にも袴の片方に両足が入っていたんですよ。

内緒のお話でした。


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