初春華舞台、後半のご報告をさせて頂きます
華やかなえんもくばかり続きますと、お客様 お腹いっぱいに
なられますので [裏道の花]です
格子の小紋の引き着です。黒繻子襟に下馬を重ねています
下馬 とは着物の下に、浴衣を重ねて着用する時の呼び名です
くつろいだ場面や、湯上りの浴衣に着物を重ね着している…
と云う表現です。あまり堅気の役では下馬付きの衣裳は不向きです。
源氏店の[お富] や [土手のお六] の様な粋で伝法肌の役で着用します
仰々しく半襟の掛かった襦袢を着ずに、肌着に直接着る事もありますよ
宗山流扇は久しぶりに 北の蛍 です
時代友禅の切り継ぎの裲襠、宗山流創流以前
三十二年前に胡蝶が仕立てた思い出の衣裳です
着物は命が長いですね
人間は色褪せていきますが、良い染は深みが増します
宗山流要 は俚奏楽の[雪の山中] です
実は昨年末から、11月の舞台で 宗山流扇が
12月の舞納めの浅草公会堂で胡蝶が
そして初春の舞台で 要… と三人が立て続けて
雪の山中 を御披露いたしました。
あえて三人三様の雰囲気をお楽しみいただきたく
衣裳も鬘も全て変えて御披露してみました
それぞれの個性が出で 胡蝶なりには企みは成功… かな
ここで、御口直し 宗山の至宝 桃川 の降臨
遊女梅川の身体に、忠兵衛の生霊が乗り移った… と云う
壮大かつ荒唐無稽、捧腹絶倒の珍妙演目です
未だ御覧になっていない方には、是非とも一度遭遇されます事を
心より推奨いたします
中幕は 胡蝶十撰の内 花散廓 より [柳橋] 群青です
日露戦争の時代の 悲しい一幕です
楽屋からエレベーターにて舞台下手袖へ
勝ち戦 とはいえ、帰らぬ人となる軍人。
形見の軍服、軍刀
こちらも二十五年以前に初演以来、今回五回目、七年ぶりの上演です
後半の 華の競演 では 御賛助の皆様が火花を散らせて下さいました。
花形の名に相応しい 松竹エンタテイメントの林佑樹さんの [細雪]
美の極致を舞います
観音裏の主 富士美観さんは [川開き] を粋に御披露下さいました
季節柄、夏ではないので、綸子の華やかな衣装で初春らしく
京都、祇園からはから駆けつけて下さった 梅ちゃんこと
飛鳥梅之介さんは [うき世道成寺] をこぼれる様な色香で…
昨年末、二代目家元を襲名したての 春謡妙内匠家元
役者の拵えで [夢芝居] を御披露してくださいました
胡蝶は超蝶特急で性別変換して 立ち役演目
[やん衆酒場] です
縞の着流しに変わり源氏香の職人半纏 残切りです
宗山流 歌の兄貴 雷門隆 の歌声に乗せて
気持ちよく踊らせて頂きました
待ってました… お慶姐さん
近頃、胡蝶の舞台に巻き込まれ、無茶ぶりにもめげず
大活躍の 若柳慶次郎さん
[神楽坂カルメン] を衝撃的オーラとともに御披露
どんな衣裳も着こなしてしまう魔法使いです
胡蝶も敗北です
御存じ、愛知からの瑞鳳澄依家元は、宗山會、龍巳の會等には
度々御出演くださいましたが、今回胡蝶をどりらいぶ の舞台は初体験
きっちりと王道 [江戸の初春] をお勤めくださいました。
前割れの姿がキリリと素晴らしいです
そしてお馴染みの 花柳琴臣さん 昨年も大活躍の一年を経て
踊り初めに [イヨマンテの夜] を勇壮に…
アイヌの民族衣装、あつし を模した意匠の伊達姿です
そして昨年の[はぐれコキリコ] に引き続き
胡蝶 佑樹 の相舞踊は [河内男節] です
年末年始の忙しさを棚に上げ、笑顔でごまかす…
振り数の多い 河内男節 でした
何とか、何とか千秋楽となりました
当初、三時間ちよっと を予定しておりましたが
四時間 御来場の皆様、お許しくださいませ
壽初春華舞台 には今回初参戦の、宗山ワイン主任 宗山流惠
の貫禄
そして、今回の 最高ショット慶次郎さん飛んでおります
見事です
見事です 花道七三 大見得
新年の初春口上 市川団十郎様にあやかって…
御来場の皆々様の今年一年の御多幸を祈り、邪気を払い
というより、市川団十郎様をいじって [睨み] 大見得
こうなると成田屋さんも黙っていませんよ
完全に持って行かれっぱなしです
ここのところ、最高のシヨットが胡蝶ではなく、悔しいです
今年も頑張ります。
ざつくりとしたご報告となりました。
今年も色々と挑戦させて頂きます。
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